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EDITOR'S SELECTION

里浦だいちゃん

徳島 大喜さん / さつまいも生産者
VENDOR
株式会社貴彩
ORIGIN
徳島県鳴門市 里浦
SEASON
10月〜2月
VOLUME
5kg(M・Lサイズ選択)
SHIPPING
常温便
i

掘ってから七十日。デンプンが糖に変わるのを待って、はじめて出す甘み

ii

味だけではない。形が良くても、艶がなければ外す

iii

海のミネラルを含んだ砂地。だから甘みの奥に、旨みがある

¥6,700
TAX INCLUDED
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FILM 01:12
— FROM THE MAKER
桜が咲いたら、植える

植え付けを始める日は、畑の中にある公園の桜が決める。先代から受け継いだ目安を、いまも守っている。

大喜 ── 里浦のさつまいも生産者
— EDITOR'S NOTE

待つ、という仕事

見渡すかぎり、葉。ひと目では海と見分けのつかない広さ。

区切りもなく、向こうまで続いています。その下が砂だと聞きました。海抜ゼロメートル。潮の風がそのまま抜けていく。ここでさつまいもが育つのか、としばらく立ち止まっていました。

掘りたてがいちばん、ではないそうです。七十日以上寝かせて、甘みができあがるのを待ってから出す。

焼いたものを割ると、断面が黄色く詰まっていました。ひと口目はほろりと崩れて、そのあとから甘みが追いかけてくる。砂糖の甘さとは違って、奥から染み出してくるような甘さです。七十日待った意味が、ここにありました。ホクホク、としか言えないのが少し悔しい。

箱を開けて、もう一度驚きました。同じ向き、同じ間隔で、隙間なく並んでいる。長さの違いで詰め方まで変えると聞いて、よほど神経の細い人かと思っていたのですが、会ってみると逆でした。よく笑うし、話がどんどん横に広がる。ただ、笑いながら芋を選び、持ち上げていく手つきには迷いがありませんでした。何を見て決めているのか、こちらには分かりません。分からないのに速い。そこがプロなのだと思いました。爪のあいだまで染みた土の色も、汚れというより、何十年ぶんの目印に見えました。話が芋に戻ると、外す条件をひとつずつ挙げていきます。まず、目で楽しんでください。そう言って笑った顔が、いちばん残っています。

この芋には、その呼び名がそのまま付いています。里浦の、だいちゃん。

区切りのない里浦の畑。地平まで葉が続く
ひと目では海と見分けがつかない広さ。この葉の下が、ぜんぶ砂だという。
抜いたばかりのさつまいもを一抱え。爪に土が染みている
抜いたばかりの一抱え。この爪の色になるまで、同じ畑に立ち続けてきた。
黒い皿に乗せた焼き芋。割った断面に黄色が詰まっている
割ると、黄色が詰まっている。甘みは、ひと口目のあとから追いかけてくる。
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WORTHY
— THE MAKER

桜を見て、始める

畑のなかに、子どもが遊ぶ公園がある。そこに、桜の木が植わっている。この木が咲きはじめる頃を目安にしなさい。亡くなった先代から、そう教わった。

近ごろは四月十日あたりが多い。ただしそれは結果であって、決めているのは桜のほうだ。満開に近づいてから植える。そこから百日から百十日を数えて、掘る。開始の日が動くのだから、収穫の日も動く。いつからいつまで、とは約束できない。

掘ったあとは、貯蔵庫に入れて待つ。十三度から十四度、湿度は七十五パーセント以上。下回れば、加湿器が庫内をまるごと湿らせて戻す。掘ってすぐの芋は、ホクホクとした食感が立ちすぎて、甘みが後ろに下がる。デンプンが糖に変わるのに、最低でも七十日はほしい。

大きさを測るための台を、自分でつくった。L、M、2L、3L。それぞれの線が引いてあり、一本ずつ載せて分けていく。同じLでも、長いものと短いものは別にする。長いものは二列、短いものは三列。Mの短いほうは、イチゴのパック詰めのように三段三段でびっしりと。箱のなかで動かないように詰める。

外すものは決まっている。尻が流れているもの。色が薄く、艶のないもの。形がどれだけ良くても、艶がなければ外す。上から下まで同じ径で、絵に描いたような形に収まっているものだけが、箱に入る。

こんな詰め方は誰にでもできない。市場からも、買った人からも、そう言われる。

畑に立つだいちゃん
植える日を決めるのは、この人ではない。畑のなかの公園に立つ、桜のほうだ。
貯蔵庫の温湿度を示す制御盤
貯蔵庫は十三度から十四度、湿度七十五パーセント以上。下回れば加湿器が戻す。ここで最低七十日。
選別を通ったさつまいもが並ぶコンテナ
外す条件は決まっている。尻が流れたもの、色の薄いもの、艶のないもの。残ったものだけが箱に入る。
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— THE PLACE

海の水を、撒く

里浦の畑は砂地だ。海抜ゼロメートル。区切りのない一続きの畑が八反。サッカーコート一面分より、少し広いくらい。地中に管を埋めて水を抜き、紀伊水道に面しているから、潮の風がそのまま抜けていく。

味をつくっているのは、海のミネラルだという。だから畑に、海の水を撒く。

塩害にはならないのか。日数を置けば問題ない、という答えだった。海水を汲み上げて撒くのは年末まで。二月の下旬から三月の頭に、土の表面をビニールで覆う。そのあいだに塩分は馴染む。むしろ芋の揃いが良くなる。

海に近い畑は、風で自然にミネラルを受け取る。遠い畑には、手をかけてやる。それだけの違いだ。

砂地を手で掻くと、すぐにさつまいもが現れる
掻けばすぐ芋に当たる砂地。味をつくっているのは海のミネラルで、だから海の水を撒くのだという。
— MAKE IT YOURS

そのまま、焼く

おすすめの食べ方を聞いたら、少し笑ってから答えが返ってきた。何も手を入れず、ストーブに入れて焼く。うちではそれが一番オーソドックスです、と。

たまに天ぷらにする。味付けは要らない。料理のこだわりについては、嫁に聞かないと分からない、とも。

五キロある。ひとりで少しずつ焼いてもいいし、大切な人と分けてもいい。いろいろ試せるだけの量だ。

届いたら、新聞紙に包んで、風通しのよい冷暗所へ。冷蔵庫には入れない。

何も手を入れず、そのまま焼く
何も手を入れず、そのまま焼く。つくり手の家でも、これが一番だという。
さつまいもの天ぷら
天ぷらにもすると聞いて、やってみた。衣のなかで、甘さが濃くなる。
細く切って揚げたフライドポテト
細く切って、フライドポテトにも。外はカラッと、中はホクホク。
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